2013世界選手権女子フリー キムヨナ選手:演技終了後雑感

圧巻の演技

キムヨナ。安定した素晴らしさだね。一つ一つの要素が確実かつスピードや伸びもあり、これは加点を付けざるを得ない。この人はジャンプに向かっての伸びがすごいよね。つなぎのスピードのままむしろターン、ターンで加速してそのままジャンプに持っていく。大概ジャンプの前は体勢を作るというか一旦ジャンプのための入りに仕切り直しがちなのだが、この人はジャンプに向かって伸びていく。

一歩一歩の伸びが大きい。バランスも保ちスピードが落ちない。ターンも丁寧で正確。しかもそれを当たり前のようにこなす。なんというか、非の打ち所が見当たらない。結果として、高い点数がつく。

サーキュラーステップ

サルコウからのトゥステップでそのままサーキュラーのステップシークエンスに入ってる。よくあるストレートラインじゃないし、これからステップですよ的な前振りもないので、「あれ?ステップやったっけ?」ってなりがちなので注意。 ストレートラインよりも、サーキュラーの方が難しいと思う。前者は直線軸に沿ってS字を描いていくため現在位置を把握しやすいしCW,CCWともバランスよく入れやすいが、 サーキュラーの場合は大きい円状に沿って進まなくてはならないし、それと逆方向のターンなどをいれつつ回ってくるのは結構やりにくい。

クオリティの高さ

毎度のごとくアレな声がアレだけど、なんというか、ここまで確実に精度とクォリティ高く決められたら、プラスを付けざるを得ないでしょ。最初の3Lz3Tなんかも、バックインから大きくC/Eして充分深くアウトに乗って、これぞルッツという方向にしっかり高く飛んで、 着氷もしっかり、続いての3Tも高い。こんだけ質の高いルッツのコンビネーションを飛べる女子は、他にほとんどいないよね。あ、高山さんのルッツはすごいにょw

この3Lz3Tはもう、+3つけるしかない、というか。脱帽。その他のエレメンツも、スピンにしろステップにしろ、これだけのクォリティで次々とこなされてしまったら、評価上どうしてもプラスになる。

その蓄積で、結果としてあれだけのスコアになる。結果の数値だけを見てGOEだけでこんなに!おかしい!というのは、それこそその見方がおかしいのであって、ちゃんとブレイクダウンすれば、おのずとその結果が導き出されることがある程度は、分かる。PCSに関しては、このスケーティングならSSが9点台になるのは納得。INに10.00つけのはおおおという気もするが、PEに満点つけるのは分からなくもない。

「こなす」

ただ、「こなす」という言葉を何回か使ったが、若干ながらも「淡々とこなしている」印象を受ける。これが人によっては、心に響かない残らない、とか点数だけ高いつまらない演技、という感想を抱かせることになるかもしれない。 こういう構成でこういう滑りを滑りをすれば高い点数を取れる、このタイミングでこういう振りをいれればINやCHが高くなる、というのを心得ているというか、しかもそれを難なくこなしてしまうしで、本当にそれは心からの演技なの?という疑問を抱かせてしまう所はあるかも