ブログ訪問:黒猫氏(未編集)

(編集予定)

さて、かの黒猫氏のブログをちょこちょこと読みだしてるのですが、最近の http://azplanning.cocolog-nifty.com/neko/2013/03/post-c019-1.html について。
「ジャンプの回転不足について疑問の声が上がると、男子も女子も同じ基準で行われるのだから厳しい判定は当然だ、と主張していたのに、今回の世界選手権でキム・ヨナが男子を超える得点を獲得すると、男子と女子の採点基準は違うから、PCSやGOEを比較するのは間違いだと言い始めたようです。」
なんというか、ザ・混同なんですが、後段の点数の単純比較がナンセンスだというのは先日述べた通り。
前段の回転不足については、要素の認定の問題ですよね。1/4以上足りてなければ < がつき、1/2以上なら<<がつき70%ofBVになる、と定められている。いわばスピンの各姿勢ごとn回転しなさい、と定められているのと同じ。男子女子ペアとも同一の基準が適用される。
@ryocoi あー、ごめんなさいね。以前スルー推奨しときながら、この数日の流れで触れるようになってしまいました。
ロスカットを多用、ってよく出てきますけど、別にそんな多くないですよね。ジャンプやスパイラルの前に入れるのは至極普通だし、つなぎで用いるのも自然。特段回数が多いってわけでもないし。そりゃ10回も20回もいれてりゃアレだろうけど。
フリーでざっと勘定してみましたが、円周を描く大きなバッククロスは、序盤の3Lz3T, 3F, 3S の前、後半イナバウアーの前、ぐらいですかね。数回クロスさせるものをいれればもっとですが、それは流れの中のものですし。
そもそもクロスで充分加速できるってことは、きちんと滑れてる証左だし、ある意味見せ場でもあるよね。また、クロスを用てない部分でも、充分スピードは出てますし、緩急もきちんと表現できてる。あれを遅いって言われたら、泣くよ。
「プレロテの大きい3S」。そもそも「プレロテ」って言葉自体ニントモなんですが、彼女のサルコウは、比較的沈み込みや溜めが大きくなく、自然に流れで踏み切ってますよね。
前にもちょい触れましたが、サルコウは原理的に、バックインに踏み込んでアップしトゥに出ることには半回転ぐらいしてます。プレロテ云々言うのは、それ自体がナンセンスですね。
「スピードが無くバランス感覚に乏しいステップ」。。。。貴様の目は節穴か!ってもんですが、一応補足。
スピードが無いあるいは乏しいというのは、中下位の選手に見られるような、ステップの途中や後半でエッジでガリっちゃったり難しいターンの前に一旦スピードを落としちゃってるようなやつです。
数年前に片足滑走がレベル上の要件だったころ、あーあースピードが落ちちゃってるがんばれーってのがよく見られましたね。レベル上がってもGOEで削られるだろってな。結局廃止されましたけど。
また、単にスピードやテンポが速ければいいってもんでもありません。プラス要件としては「2) シークェンス中のスピード,またはスピードの加速が十分」です。あくまで「十分」であることが求められ、速ければ速いほど加点がつくってものでもありません。
160bpm以上だったら+2ね、っとかはないw
そりゃ、ダイスケやまおちゃんみたいな、テンポが速く拍手もしやすく盛り上がりやすいほうが喝采も浴びせやすいし、「印象」も高いだろうけど。
さほど高速でもビートの刻みもなく一見地味に見えるけど、一つ一つしっかり深く踏み流れをもって優雅に流れをもって繋げられるステップは、いわば通好み、なのかもしれません。
あ、クロスカット云々以下は、http://azplanning.cocolog-nifty.com/neko/2013/03/post-7350.html ね。
スピンに関しては、ポジションとかあまり評価するのが得意じゃないんで、パス。少なくとも、軸はしっかり取れてると思います。
なんか意外に、「よくある誤解を解こう」的なネタ元として使えるかもしれないw
@tsugir1 最初は、「なんかいやだなー」って思ってましたが、結構解説ネタとして使えると気づき始めました。レッツポジティブシンキング!w
例えばピアノの演奏とかでも、ものすごい速弾きとかジャジャーンってな曲だと、素人が聞いても、おおすげえ!ってなりますよね。でもほんとに難しいのは、テンポはゆっくりで音符の数は多くなくても、美しいメロディーを奏でること。
ショパンエチュードやリストの超絶難曲よりも、モーツァルトのコンチェルトやベートーヴェンの後期ソナタ
K488 泣ける
派手系の曲って、結構ごまかしが効いちゃうんですよね。聞く人が聞けば、あ、こいつはしょってるって分かるけど、なんとなくペダルでごまかしちゃえば、それっぽく聴こえてしまう。
それに対してスローテンポの、メロディアックな曲って、アラがものすごく目立つ。シンプルな分ごまかしがきかない。一つ一つの音の粒をしっかり、かつそれをスラーでつなげる。とっても基礎的なことなんだけど、その人の技術が思いっきり露呈される。
この音の粒とスラーが、スケートだと一歩の滑りとエッジワークの流れにあたると思う。深く正確なターンは、音をつなげフレーズを作る。
そもそもスケートは曲にあわせて滑るのだから、共通点は多いはずだよね。一音の鳴り、スラーによるフレージング、クレッシェンドによる盛り上げ、緩急などなど。スタッカートはトゥステップかな?w
"、、、と、意外と話が広がりました。
なんとかとハサミは使いようってやつですね。"
昔、オブイェクト人が、お花畑系の人とやりとりするときは、その人を論破しようとするのではなく、見ている人達に対して解説や啓蒙をすることを目的とする、というようなことを言ってたと記憶しています。参考になる手法ですね。
@ataru_kodaka 「の中の人」が抜けた。
あと、「素人には分からない」的物言い。これもねー、確かに素人には見極めつかない部分はあるけど、貴様の目は節穴っていってるようなもんだし、いや実際節穴なんだろうけど、つかさっきあたしも使ったな。まあ確実に気分は害するだろうし、感情的軋轢を生むわな。
つかあたし自身も素人に陰毛がようやく生え揃ってきた程度だし偉そうに言うのもアレなんだけど。
ピアノの例を使うと、コンクールの審査みたいなもんなのかね。素人目もとい耳だとどれも素晴らしく聞こえるけど審査員の先生方には優劣がつけられて、聴衆の喝采と入賞が必ずしも一致しなかったり、聴く人によって感動するのが違ったり、
あるいは、あの子はあの先生の門下だから云々とかあったり、、はしないよね。
そういえば、ようやく海がショパンコンクールで弾くとこまで行ったのね。

触れざるを得ないもの

さて長々と、

  1. キムヨナ選手のスケーティングとその評価
  2. 視聴者の印象と点数の乖離の要因分析
  3. 無理解と妄想による陰謀論
  4. 優越感と劣等感に基づく嫌韓

と触れて来ましたが、なぜこのようなステップを踏み、次に何に触れようとしているのか、分かる人には分かるでしょう。

このような妄言はネット上には数多く現れ、インターネッツ便所であれブログであれツイッターであれ至る所に存在するわけで、一々相手にしていてはキリがないので(リプ貰った以外は)あまり個別への言及はせず、淡々と思う所をつぶやくことに終始してましたが、よく分からん署名提出ならまだ無視されるだけとしても、同人頒布ならまだしも商業流通に乗るような本を出版となると公共性も帯びてきますし、スルーし続けて「黙認してる」と思われるのもなんだかなー、なので、やむを得ずそれなりに言及していこうと思います。

良い子悪い子普通の子

FPスモールメダルセレモニー。なんです君がオチ担当になっててうけるw

Q「この後お休みできるの?それともすぐトレーニング?」
チャン「まだ国別あるし」
テン君「オリンピックの準備しなきゃ」
なんです君「数ヶ月バケーション取るよ!(会場笑い)」

なんです君がマイク握るだけで笑いがおきるという。

嫌韓への誘い

地雷原と肥溜めに踏み込む勇気はあるか?

さて、、、、さらにネット上だと触れにくい部分、、、、「嫌韓」について。ataru kodaka 名義にしてからは、政治的問題、とくにこの話題に関しては極力触れないようにしてきたのですが、ここまできたら避けて通れないような気がしたので、アムロいきます。

地雷はまだ足を離さなければ爆発はしませんし、探知機で探りながら進むこともできますが、これはなんというか、泥沼というか肥溜めというかで、足を踏み入れた瞬間にズブズブと深みと暗黒に飲み込まれてしまうので、、、、やっぱやめよっかな、、、と弱気になりましたが、一度行くといったら行きましょう。

嫌韓の優越

仮に彼女が韓国籍でなければ、おそらくここまでこじれることはなかったでしょう。男子のPチャンも高いPCSを出しますが、一時期いろいろ揶揄されはしたものの、今ではスケーティングスキルの高さはほぼ認められ、まだ難癖を付ける人がいても、見る目のないアホ、で済むでしょう。それこそ、アイスダンスのメリチャリは、毎回のように10点満点を連発してますが、これをおかしい!という声は寡黙にして聞きません。

念のため申し上げておきますが、かくいう私も、年少期は朝日新聞を愛読する真面目少年、それがネットで「真実()」を知り嫌韓流は全巻揃え、小林某にも影響され、お花畑なサヨクのおもしろブロガーや韓国ネタをおちょくるという、いわゆるネトウヨ的な活動もしておりました。もう5年以上前でしょうか(やばになに黒歴史さらしてんだおれ。ちなみに、朝日夕刊の「日本軍の毒ガスだ!」←煙幕でした、の写真はリアルタイムで覚えてます。)

ぶっちゃけ、こういうのって、優越感に浸れて楽しいんですよ。あいつらこんなバカなこと言ってやがる頭おかしいwwwって相手を下に見て、あるいは正義の鉄槌を下してやるぜってね。相手の品格の無さをあげつらいながら、実はそんなことする自分の品格のなさを露呈するってね。そういって下に見てる連中が、いい結果を残したりすると、それは耐えられないわけですよ。あいつらがそんなに出来るわけがない、おかしい、なんか汚いことをやってるに違いない、いや、やってるんだってね。劣等感と妄想に基づく陰謀論ってやつです。

もちろん、韓国政府としての主張、領土問題であったり歴史問題であったりに関しては、合理性を欠くものが多くにわかに賛同できるものではありません。しかしそれはあくまで政治問題であり、一スポーツ選手に対して矛先を向けるものでは当然ありません。仮に、サッカーで問題になったような試合後に政治的メッセージを掲げた、となれば話は別ですが、彼女が公式の場でそういった主張をしているとは聞いたことがありません。

またこれはあくまで個人的なサンプルで数は多くはありませんが、研究室の留学生や同僚、取引先などで10数人の韓国人の知り合いがいますが、好青年であったり気のいいおっちゃんであったり気の弱い子だったりクールな美人であったり、みな人間的にはいい人でした。ちなみにテン君も高麗人の家系、つまり朝鮮系ですが、幸いそれによる蔑視などはほぼ見かけませんね。あったら叩き潰しにいきます。

「不可解」に潜む誘惑

「不可解」の要因

よく「不可解な」という言葉が出てきますが、ようはその人が理解できない、分からない、ということ。原因としては大きく分けて、本人自身の理解力の問題と、対象の非合理性などの問題に分けられますが、前者を棚に上げて後者に押し付けようとするときによく用いられます。

本人自身の問題

前者は、

  • ルールに関する体系的な知識と理解
  • スケーティングの優劣を見極める目
  • 要素を即座にコールできる能力
  • なるだけ主観性を廃し客観的に判断を行い、かつ定量化して数値に落とし込める能力

などが必要になります。かなりハードル高いです。スピードからエッジワークの正確性、姿勢とバランス、安定性、上体の動き、手先の動きや目線、それらが曲調に合わせて的確に実行されてるか、ルールの文言と現実的運用に則して点数化するという作業が必要です。

また環境の問題もあります。前に触れましたが、放映用映像では限界があります。カメラワークに大きく依存するため、生で間近でみるのとはかなり異なります。早く見えることも、遅く見えることもあります。テレビの前で見ている一視聴者は、目に前でみてるジャッジに対して、大きなビハインドがあります。いい悪いではなくて、現実的にそうならざるを得ません。まずこれを認識してるかどうか。

まあ大抵何かおかしい!って時は自分のミスや誤解の場合がほとんどなんだけどね。プログラムが動かなくて、ライブラリのバグだ!と叫ぶのはいいけど、結局自分の呼び出しミスや勘違いだったり。

ルールやジャッジ側の問題

もちろん後者、すなわちルールやジャッジ側の問題もあります。採点競技の宿命的な部分もありますが、ルールの文言がとかく抽象的で、具体的にどういうスケーティングやエレメンツの実行が優れていて、どういう点数が与えられるのか、というのが明確に示しづらく、運用の中で探るしかない。法律の条文の解釈に基づく判例の積み重ねとでもいいましょうか、運用でカバーみたいな。また、出てくるのが数値のみなんで、なんでこの点数なの?っていう説明が公になされることがない。

匿名に関しては、仮にそれを排したとしても、あまり効果は高くないと思います。ジャッジの傾向がつかめやすかったり、責任の所在が明確になったり、気分的に透明性が上がったように感じるかもですが、ジャッジはジャッジの仕事をすればいいわけで、難癖を付ける人は個人攻撃に走るでしょう。個人的には、分かりやすさという意味から、匿名とランダムオーダーはやめたほうがいーなー、とは思います。まあそれよりもそれをなくすデメリットの方が大きいという判断なのでしょうけど。

あとは、必殺UNDER THE TABLEですね。ロビイ活動云々とか。これに関しては、私のレベルではコメントのしようがありません。完全にないとは言いきれませんし、それは悪魔の証明でもあります。でも、根拠なく八百長だ!陰謀だ!と決め付けるのがどれほど愚かかということは、常識のある人なら説明するまでもないと思います。

あと、ジャッジも人間ですから、間違いはあるし、人によって注目するポイントが違うこともあるでしよう。システムとしては、複数人による上下カットの上で平均をとる、とカバーしてますが、完全ではありませんし、採点根拠の説明もありません。
説明がない、と軽くいっちゃってますが、現実問題として、説明を求め始めたらきりがないですけどね。明らかなミスや、大きな乖離があったときぐらいは欲しいところですけど。

このように、システム側にも問題がないわけではない。だがそれは演技の定量化という、根本的に無理が伴うことに起因するものが多く、その制約の中でなるだけ恣意性を排すよう改良がなされ、現実的運用のもと概ね公正に行われてると判断できる。

定量化の限界

じゃあもっときちんと定量化しようと、ブレードにセンサーをつけエッジエラーと回転不足を検出し高さと回転速度を求め、歩数と加速度を計測し、体中にセンサーをとりつけてスピードや動きと曲調のマッチングを解析しスコアを出し、、、とするのがいいのか。パラメーターはどのように設定するのか、そもそもそんな「計測」にどれほどの意味があるのか。最終的には、「肥えた人間の目」に頼るしかない。

印象と採点の乖離

視聴者側の「印象」とジャッジの出した「数値」との乖離が生じた時、以上のどの要因の説明力が高いのか。これまた数値的な解析は不可能だが、少なくともシステム側の寄与率のほうが高いとは言えないだろう。それを、自分側の問題を棚上げし、システム側に全面的に押し付けるのが「陰謀論」の手法であり、ある意味魅力的でもある。悪いのは全部向こうのせいなのだから。

リンクの上で語る

私としては、「スケーターはリンクの上で」「プレイヤーはフィールドの上で」語るものだと思ってます。それ以外の、やれキスクラの態度が悪いとか、採点に文句言ったとか(ソースあるのかな?)そういう雑音は、ゴシップネタ程度にとどめておくべきかと。いやでも結構みんなゴシップ好きだからねー。いや、ゴシップをゴシップとして楽しんでる分にはいいんだけど、それを真に受けちゃったりして、それが元で嫌いになっちゃったりするのは、もったいないと思うんだよね。「いいスケーティングを堪能する」という絶好の楽しみを失っちゃってるわけだから。

あれかもね、暗黒面に落ちちゃってる人に対して、「それは間違っている」と正面からぶつかっても、「何をいうこの採点恭順者()が!」と反発されるだけだから、「ああなんともったいない!この極上の至高を味わえないとは!!」と哀れんでみるとかw

丁寧に踏むステップ

ステップについて。この前ちょこっと触れましたが、流れでサーキュラーに入っているため見分けにくいこと、さほど要素数や時間が多くないことから、スカスカとかサボってるとかいう人もいるようです。

ステップについては、あたしもレベル要件とか種類を瞬時に見分けるのが得意じゃないんでアレですが、分かる範囲では、スリーブラケットロッカーカウンターなどの各種ターン、ループ玉、モホーク、トゥステップ、シャッセ、ツイズルなどを両回転ともバランスよく、丁寧にステップを踏んでると思います。確かに浅田さんの軽やかで速いテンポで沢山いれてるステップに比べると物足りなく感じるかもですが、単にいっぱいいれればいいとか長くやればいいというものでもなく、規定された種類・数を組み込み、一つ一つを深く丁寧に、上体の動きとともに踏んでいくのも、優れたステップだと思います。

私なんかのレベルだと、速いテンポで踏むのはまず無理なんで、曲に合わせて一つ一つ丁寧に、上体を大きく使って、目線や指先に気を配って、というタイプのステップのほうが参考になります。