よく分かるかもしれないターン

前記事のつづき:

詳しくはパンダ師匠のところで

ターンの解説だと、http://pandamaster.blog114.fc2.com/blog-entry-33.html が一番分かりやすいと思います。ジャンプの見分けにまず興味がいってしまうとは思いますが、ターンも把握できるようになると、より面白さが増すと思います。

ターンの種類

図入りの詳細解説はそちらのページを見ていただくとして、片足のターンは、スリーターン、ブラケット、ロッカー、カウンターと4つあります。描くトレース(3字とS字)と体の回転方向(滑走方向と同じ、逆)で2x2のパターンがあるわけです。

フォアからバック、バックからフォアと体の向きを入れ替えるのが主な目的ですが、左右・フォアバック・インアウトと一つのターンでも2^3=8 あるわけで、それx4=32 となんだか一杯あるわーとなってしまったり。 とはいっても、実際に全部のパターンが使われるわけでもないし、よく使われるのは結構限られてきます。「出る単」ならぬ「出るターン」ですね(おやじギャクいうの禁止)。

スリーターン

一番使用頻度が高いのが、やはりフォアアウトからのスリーターンでしょうか。ここからバッククロスにつなげる、一旦逆方向に重心移動してバッククロス、足を変えてバックアウトスリー、あるいはダブルスリーで戻ってくる、などいろいろな場面で使われます。

フォアインからのスリーターン(インスリーと呼ばれる)は、スピンに入る時によく使われますね。右フォアインからスリーでバックアウトに出て、左フォアアウトで踏み込んでスピンに入る、と。 昔はCWのバッククロスから体を捻ってスピンに入ることが多かったですが、最近はインスリーからそのまま入るケースが多いと思います。スピンにどうやって入るか注意してみてみるのもよいかも。

バックアウトスリーは、さきほどのフォアアウトスリーからの流れでよく使われ、サルコウのプレパレーションでもよく使われます。左フォアアウトスリー(あるいはモホーク)から右バックアウトに乗り換えてスリーで前を向く、そこからモホークでサルコウへ、という流れ。

スリーターンは、基本中の基本で、左右、フォアバック、インアウトとどのエッジも(頻度の差はあれ)満遍なく使われるので、まずこれをきっちり練習しておくことが大切です。どのパターンもしっかり腰を止めてターンできるようになれば、他のターンもできるようになります(はずです)。

あ、一応説明しておくと、スリーターンは、ターンの前後で描く円弧の中心方向が同じで、体の回転方向も同じのターンです。トレースが3の字を描くことからスリーターンと呼ばれます。代表的なのは、左フォアアウト→(CCWに体が回転)→左バックイン、ですね。

ロッカー

で、他のターンですが、、、、あたしもあまり得意ではないのでアレですが、ロッカーから。体の回転はスリーと同じですが、ターン後の円弧が逆になり、S字を描きます。よく、キュッキュッキュッと体はそのままでエッジを前後させることがありますが、あれはロッカーの連続です。2,3回繰り返すことが多いでしょうか。つなぎのアクセントとしてよく使われますね。印象にも残りますし。

あるいは、深いフォアアウトからロッカーで大きくS字を描くのもありますね。ステップやつなぎでよく使われます。これが出来るようになると、バリエーションが広がるんですよねー。円弧の方向が変わるのでスリーより難度は高いですが、逆に腰を抑えやすくなる、という人もいます。

カウンター

次にカウンター。トレースはロッカーと同じでS字ですが、体の回転方向が反対になります。一番多いのがバックインからのカウンターでしょうか。あたしもステップの中で組み込んでいます。

ターンの前にフリーレッグを前に出しておいて、ターンするときにちょいと腿上げするように一旦引き、ターンした後また前に出す、ってな動きをしたりします。

ブラケット

は略。円弧はスリーと同じだけど体が逆、で済ませておきます。

基本スケーティングスキルとしてのターン

このように、一口にターンと言ってもいろいろあるわけで、人によって深い浅い、ガリッとなって減速する、むしろエッジの押しで加速する、加えて上体の動きの連動、などがあるわけです。スケーティングスキルが一番表れる所ではないかと。 これを堪能するには、シングルよりアイスダンスの方が良いですね。うっとりします。ジャンプやスピンは派手だけど、あくまで派生形なんですよね。基本はストロークとターンにある。その基本を評価するのがスケーティングスキルの項目なんじゃないでしょうか。

評価する目

それを評価するには、少なくともリアルタイムでどの要素が行われてるか把握し、そしてそれぞれの安定性、加速、深さ、バランスなどを評価しないといけないわけですよね。 採点に異議を申し立てるということは、まず自分にその能力がありかつ逐次実行でき、しかもそれをテレビ映像という角度も構図も意のままにならない環境で全体のスピードと加速、足元の動きを観察でき、数値に落とし込めるってことですよね。すげえ。

、、とまたそっちの話になるとアレなので、ターンはたくさん練習しましょう、ということでw

他のステップなどはまた今度

上記の片足ターンに加えて、それを連続して行うダブルスリー・ツイズルやループ玉、両足ターンというかステップとしてモホークやチョクトー。また小技?としてイーグルやイナバウアーなどがあり、それらでつなぎやステップが構成されます。

それらについては、またおいおい。

ブログ訪問:MURMUR 別館

さて、前のところからリンクがあった、 MURMUR 別館

深いまおちゃん愛に溢れています。いくら頑張っても報われない哀しみ、不満、憤怒、そして諦観。かなりソウルジェムが濁ってきてるので、早くグレーフシードに移さないと魔女化してしまいそうです。強く陰謀だと決めつけるというよりは、そのせいにしてでもおかないとやってられない、というところでしょうか。合理的説明を求めているわけではなく、感情的なほうが先に立ってしまう。

ルッツのエッジエラー

気持ちは分からんでもないのですが、明白な誤りは指摘せざるを得ません。フリーでの浅田さんのルッツについて

「正しいエッジで跳んでいる」と他国の実況で話されていたにもかかわらず、エッジエラーとなり(略)今回更にきれいに決まったはずのルッツがそれ以上に減点されている」

明白にエッジエラーです。フラット気味程度の軽度なものではなく、明らかにインで踏み切っています。あれにeをつけないTPは無能の烙印を押されるでしょう。他国の実況がどれだか分かりませんが、UKのeurosportsでは、(she) lands lutz としか言ってませんし。スローリプレイの方は覚えてませんが、あれを正しいエッジという実況解説はいないでしょう、さすがに。

応援フィルターと疑心暗鬼

他にもかなり強い応援フィルターが見られ、ご自身でも疑心暗鬼だとは分かってはいても、感情を処理するにはそのせいにせざるを得ないのかもしれません。こういうタイプは多いのではないでしょうか。応援する選手に栄冠がもたらされない以上、いくら詳細なルールや技術的な差異を説明しても、そんなことは聞いていない、になってしまう。ちなみにあたしにも、テン君とリーザには応援フィルターがかかってますんで、ご了承下さい。

ブログ訪問:光と風の世界blog

さて、今日は http://pikari.de-blog.jp/photo/2013/03/post_2f62.html について。

良いところ

まず良い点を挙げると、グラフがふんだんに使われてて視覚的に訴えてる所。PCSの傾向がパッと見て取れますね。ですが、やっぱり最後は、事前合意や、「 基本点(目安点)を指示するチーフジャッジを手中に収める」、という方向にいってしまうのが残念。

グラフを見ると、確かにSSを元にTRがちょい低めで、後の三項目はSS近辺を上下、という傾向が見て取れますね。本来は各項目独立なんでしょうが、やはり基本となるのはSSなので、このような形に落ち着くのでしょうか。

問題点

で、グラフを作って傾向をつかみ分析しようとする姿勢自体は評価できるのですが、見方がねじ曲がってるとトンデモ結論がでてしまう、という見本を示してしまっています。

日本選手のフリーの各ジャッジの採点のバラつきが外国選手に比べて少ないことをもって、

「日本人を熱烈に応援するジャッジがいない、足引っ張るジャッジも少ないということ 」

、、、えっと、、、まず、確かにその三選手のフリー採点は比較的バラつきは小さいようにも見えますが、それでも1.0から1.5程度はありますし、ショートは他の選手と同じ様にバラつきはあります。手元にデータはありませんが、他の大会などを見ても日本選手のみバラつきが小さいということはないはず。少ないサンプルから、しかも都合に合わせて抽出したデータのみで結論を出すのは、まさに恣意的というもの。統計やグラフを使ってもっともらしくアレゲな断定をする、というのもよく使われる手法。しかもそこからの導出がそれじゃあ、ねえ。

それよりもむしろ、タクタミに高くつけてる、村上に低くつけてるのがあるほうが目に付きますね。やるなら、実はこれらは同じジャッジの採点で、ロシアあげ、日本さげだ!でしょうか。やらないけど。

また、キムヨナフリーに対して8.5近辺と低めの採点をしてるジャッジに対して、下げにかかってる、投げやり、荷担への抵抗、などという捉え方をしています。恣意性を見出そうとしてる目には、全てが恣意的に見えてしまいます。

TRのつけかた

私がよく分からないのが、なぜいつもTRの点数が辛いのか。ほとんどのケースで他の項目より低くでてますよね。求められる水準が高いのでしょうか。選手がエレメンツの消化に力が注がれつなぎが疎かになってるということでしょうか。

オズモンドショートに、一人だけTRを高くつけてるジャッジがいるのはなぜか。他のジャッジは他項目と同じか若干下。8.75と6.00では、最低最高がカットされるとはいえ、あまりに差が大きすぎないか。同じルール同じ運用で採点されてるはずなので、ジャッジ間のバラつきは少ない方が好ましいと思います。多少ぶれるのはしょうがないとしても、さすがに三点近く差がでてしまうのはどうなんだろう。恣意的云々より、ミスジャッジあるいは入力間違えじゃね?という疑問が生じます。

このような状況を不自然と主張するなら、ある程度賛同は出来ます。バラつきが大きく外れ値が出るということは、ジャッジ間の採点基準の整合性が取れていない、あるいは運用基準から外れてる可能性があるわけですから。

ブログ訪問:読書メモ/情報整理・考察メモ「フィギュアスケート世界選手権2013: 採点方式・ジャッジの問題点、キム・ヨナの得点の検証」

さて、黒猫さんとこは通常運転すぎてあまり取り上げることがないので、もう少しまともに「論考」してるようなのはないかな、と思ってタグで見つけた http://amzn1.blog102.fc2.com/blog-entry-62.html について。

良いところ

まず、良い所からいうと、章立て、デザイン、文体、色分けなどがしっかりしてて、読みやすいです。画像ベタベタなところで目が腐ったあとには、特に。数字なども具体的に出してますしね。

主張としては、ショートに比べてフリーのGOE/PCSが異常に高すぎる、PCS10点満点は暴挙だ、という点。ですが、やはり結論が「ロビー活動」「働きかけ」「プレッシャー」となってしまってるのが残念なところ。そこの飛躍をもうちょっと埋められないものなのでしょうか。

「不自然」

「不自然」というのがやはりキーワードとして出てきます。ショートとフリーでは質は「同程度だった」のにも関わらず、フリーがバク上げされてる、と。まず、同程度だった、という評価はあくまで限定された視聴からの筆者の判断で、その前提でもって結果を断じることはできません。というか、さすがに同程度ってことはねぇだろう。フリーのほうが良かったと思うぞ。

「難度の低い構成」?

GOEがすべてプラス以上だから不自然とかいろいろ突っ込みどころはあるんだが、基礎点58.22をもって、「出場選手中4位という、難度の低い構成」っておいおい、、、充分難度高いだろ。浅田は3A、若い二人は+3Tを二つつけたからそれより高く出るけど、3Lz3Tいれて、回転不足なくトリプル各種いれてステップスピンともしっかりレベル取って、この構成を難度低いとかさすがに言えねぇだろ。

そりゃ理想的には+3T二本、五種トリプルいれて、後半につめこんで、とかでいくらでも「ぼくのかんがえたさいきょうのぷろぐらむ」は出来るし、そういうのに比べて、相対的に基礎点が低い、とは言えても、難度の低い簡単な構成とは決して言えない。

PCSで満点つけるのは、死刑宣告!

PCSに関して。これは正直あたしもちょっと高過ぎと感じるところもあるのだが、普通ショートより0.4程度高いぐらいなのに1.0も高いのはおかしいってのは、よく陥りがちな決め付け。あたしもこの前あっこのTR低過ぎじゃね、でやった。

十点満点つけるのは、

「「フィギュアスケート女子シングルは、競技として、もう発展しなくていい、発展するな」というメッセージ」

いやいやいやいや、どこの電波塔からそんなメッセージを受け取りましたか。アイスダンスなんて、終わっちゃってるよ、、、

あくまで0から10.0の範囲内での採点が求められていて、文言が手元にないんですが、非常に秀でてると判断されれば、満点が出てもおかしいことはない。出しにくいというのはあるでしょうけど、出たから死刑宣告ってどうよ。街の総菜屋のオバチャンがおでんの味見するとき、「あたしゃ満点は出さないの、そこで満足しちゃうとダメだからね」ってワイドショーでやってたけどw

結論は、いつものアレ

で、結局最後は、いつものロビーやらプレッシャーやらになってしまいます。ここがいっつも飛躍しちゃうんですよね。自分には70点程度にしか見えない、でもジャッジは90点出した。20点も高いのはカンコクガー、だと、「そう思うんならそうry」にしかならない。なんかそこをもうちょいうまく繋げて説得力を持たせられませんかね。って、ディベートみたく陰謀論の立場にたって考えたりしてw

「ジャッジの匿名性」についてのまとめ(まとめ中)

極小規模な一部の国内大会を除き、一定規模以上の主要大会では、競技開始前およびジャッジ交代があった場合その都度ジャッジの紹介(名前と国籍)が行われるため、厳密な意味では匿名とは言えないが、各採点とジャッジの関連付けが行われていない、つまりその採点がどのジャッジによって行われたのか明確でないを状態を、「匿名性がある」と言う。以下、用語の整理と採用状況のまとめ(確認中)。

  • ランダムカット:複数人のジャッジのうち数人の採点をランダムに除外すること。[2010-11(要確認)]までは12人のジャッジのうち3人の採点をランダムに除外していたが、経済的な理由によりそれ以降廃止されている。
  • 上下カット:各ジャッジの出した採点のうち、最高点と最低点を除外すること。その後に平均を取りスコアとする。ISU開催大会では採用。国際B級や各国選手権でも採用されている?[要確認]。5/7/9人が主流で、5人の場合は上下カットは無し
  • ランダムオーダー:ジャッジパネルの採点列(縦の並び)が選手ごとにランダム。どのジャッジがどの採点を出したか関連付けられず、[また選手ごとバラバラなため、選手間で縦列をたぐっても、それが同一ジャッジの採点とは限らない。(要確認)採用の場合は、プロトコルに "in random order" と記載され、不採用の場合はその記載がなく、J1, J2, J3 とジャッジ番号が明記され、[実際のジャッジの席順と一致する?(要確認)。]ISU主催大会では採用、国際B級では不採用が多い模様(NRW、プランタン、トリグラフでは不採用)。国内選手権では国によって異なる。日本、米国は不採用、カナダも、、、J1,J2,,とあるから不採用、なのかな?

簡単に表にまとめるとこんなかんじ:
https://pbs.twimg.com/media/BGmr7BHCAAIHA8V.gif

ジャッジパネルの国籍表示ですが、GPS/F ではしっかり国籍が明記されていますが、ワールド、欧州、4CC、オリンピックは非表示(ISUと表記)されてるんですね。なんか既定があるのかな?それとも単なる慣習か。でもまぁ調べようと思ったら調べれられますけどね。例えばワールド男子ショートNo.1のMr. Elena Fomina は他の大会で RUS と出てるし。大きな大会に出てくるジャッジはそれなりでしょうから、他の大会の記録を漁れば、大体分かるはず。
例えばキムヨナ選手も出場したNRW2012は採点とジャッジが紐付けられており、「不透明さは低減されている」といえると思うんですが、どうなんでしょうか。http://www.lev-nrw.org/lev2008/docs/event/1189/SEG036OF.HTM

弓道になぞらえて話してみるテスト(未編集)

(編集予定)
「主観的」って言葉。ほとんど批判用語となってしまってますね。大体、恣意的、勝手に、好きなように、インチキっていう意味合いで使われることが多いです。
「不可解」「不透明」。これらも、「インチキ」に変えても、ほぼ意味は通ります。
陸上や水泳のような「計測」の場合は、主観的判断の入り込む余地がありません。大会では機械測定でしょうし、運動会などでは、「こっちが先にゴールしたように見えた」という、主観的云々というより、先生の動体視力の問題です。
もし、「フォームの美しさ」なども加味して順位が決定される、とかなると、主観的判断が入り込むとおもいますけど。
弓道だと、大会ではあくまで中った本数で勝負が決まり、所作などは関係ありません。「中て矢」とダメ出しされても、皆中させれば勝てる、と。八節を飛ばすとか礼しないとか、あんまりヒドイと注意されるだろうけど。
大会では中り重視ですが、審査(○段とか練士とか)では中った本数よりも、射法八節や所作、射方などの方が重視されます。さすがに4段で零中とかではダメですが、皆中させても所作不十分で落とされることもあります。
早気(会で我慢できずにすぐ射てしまうこと)の人とか、結構苦労してますよね。あたしは比較的遅い方で、4射2中で2段通りました。たしか。
で、合否の判定をするのは、つまり審査員は連盟のお偉いさんたちで、「○段として習得しておくべき正しい射法」に達しているかどうかを判定するわけです。審査員は何人かいて、合議制なのか多数決なのかは知りませんが、それぞれに対し合否を下します。
いわば、的中が TES で、射法が PCS みたいなもんでしょうか。比率としては後者が高い。
えーこの人受かってなんであの人落ちるの?って思う時もありますが、この人はこの射方を直さないと受かんないだろうーなーって人は、やっぱり落ちたりしてます。
中てようとしてはだめで、あくまで中る、なんですよね。正しい射法から左右均等に離れを起こせば、矢は自ずと的を射る。
フィギュアスケートも同じで、回そうとしてはダメで、正しいエッジワークに基づき滑れば、自然と回る。 ってなことを昔書いた記憶もあるが、まあいい。
で、審査に話を戻すと、その射が「正しい射といえるか」は、どうやってもその審査員の「主観的判断」になっちゃうんですよね。右肩が5cm上がってる、会が3秒しかない、などは客観的に言えても、それらを総合して、4段としての射たりえるか?というのは審査員個人の捉え方に依存してしまう。
あたしは審査する側に回ったことないのであくまで推測ですが、指導経験や審査の積み重ねにより、審査員個々人の、あるいは支部・連盟内でのコンセンサスというか、理想とする射法、格段ごとの許容範囲、重要なポイントとそうでない部分などがあるんではないかと。
こういうのは、明文化や点数化が非常にしにくいし、人によって当然差が出てくるしでなかなか難しいとは思いますが、人が人を見るわけで、「見る目がある人が判定する」しかないんですよね。
あまり詳しくない人が観に来て、「なんであの人は全部当てたのに落ちて、この人は1本外したのに受かるの?」というのは、「なんであの選手は全部ジャンプ決めたのに、一回コケたあの選手より下なの?」と感じるようなものかもしれません。
完全に主観性を排することは、事実上不可能です。「(部分的に)明文化されたルールとコンセンサスに基づく裁量」ととるか「勝手な好き嫌いやXXによる恣意的な操作」ととるか、ですね。
「あの人は審査員の先生の教え子だから受かった」「この人はあの審査員と仲の悪い先生の教え子だから落ちた」とか思うのはある程度しょうがないだろうし、本当にないとは言い切れません。でも、仲間内でヒソヒソ話するならともかく、裏も取らずにそうと決めつけて大声で喚き散らすのは、頭おかしいです
、、、と、弓道の審査とフィギュアスケートの採点を無理やりつなげてみました。かなり無理があったかもw
この手の問題の難しいのは、審査員でもなく本人でもない第三者は、そういった「恣意的だ」という意見を、確証を持って封じることが原理的にできない、ってところですね。自分が審査したわけでも、直接見たわけでも、見分ける能力もそこまでないので、はっきりとこうだ、と断言できません。
さて、氏の「アンケート」ですが、現状のところ予想通り 97.6% という脅威の支持率(総投票数1480)を誇っています。この結果を見て、「やっぱりみんなISUのクソジャッジより黒猫さんを信頼してるんだ!」などと考えるおっちょこちょいさんはさすがにいないとは思いますが、念のため。
ちなみに、あたしもジャッジに全幅の信頼を置いているわけでもないし、あのフリーの点数は正直、うっわーすっげー、よくこんなに出したなちょっと出しすぎじゃね?と感じましたし、この数字を見て「異常」と感じる人が出てくることは理解できます。
で、あのアンケートの結果は、「標本の偏り」「選択バイアス」で説明できます。あたしも別に市場調査の専門家ではありませんが、常識の範囲内で。
常世論調査などでは無作為抽出(あるいはそれに準ずる手法)で標本を集めます。あるいはマーケティングなどでは、特定の集団に絞ってアンケートします。渋谷の若い女性、とか、新橋のサラリーマンとか。
氏のアンケートは、言うまでもなく無作為抽出ではありません。まず i)そのアンケートの存在を知り、ii)当該アンケートの場所を探しあて、iii)選択肢を選び投票する、というステップが必要になります。
そもそもその存在を知るには、普段からの読者であるか、検索やどこかの書き込みを見るか、です。わざわざ検索したり掲示板チェックしてあそこにたどり着くということは、その時点でフィギュアの採点について興味がある、具体的には疑義を持っているあるいは疑義の存在に興味がある、ということです。
フィギュアスケート 採点 異常」でググると、トップに出てきますしね。検索フレーズランキングは nifty の search 結果しか載ってませんが、ふつーにログ解析すると、そういう単語がいっぱい出てくるんじゃないでしょうか。
そうしてなおかつ、実際に(IP晒してまで)投票ボタンを押そうと思う人は限られてきます。そこまでするほど興味も熱意もない、特に氏を支持しない、そもそも見たくもない、という人は、スルーするでしょう。「これは阻止せねば!」と熱意のある方は「支持しない」に投票するかもしれませんが。
そうすると、投票する人は、ジャッジに不信感をいだき、氏に共感してるひとにほぼ限られてきます。創価学会の建物の前で「公明党を支持しますか?」とアンケートとってるようなものですね。
おそらく投票期日後に勝利宣言とともにその結果を一般化しようとするかもしれませんが、標本の偏りが強すぎるんで、ムリダナ。
また、いつかのエントリで、標本の偏りを指摘したコメント(あたしじゃないよ)を引用し、それに対して、じゃあなんでジャッジがあんな高い点つけたのか説明してみろよ、という論点ずらしを行ってます。
この種の人々によく見られる詭弁の一種で、指摘された点には触れずに、関係ない議論をふっかけるというもの。これに限らず随所に見られます。いくら的を射た指摘をしても、じゃあこれはどうなんだよ、と逃げていきますので、大抵の場合徒労に終わります。
根気よく問い詰めていけば、自己矛盾に気づかせることもできますが、相当の労力と熱量が必要になります。かなり疲れるので、出来れば避けたいところ。

テン君の嘆願書とかいうアレ

テン君の嘆願書とかいうの。(url記載予定)そりゃ、テン君に金メダル取って欲しかったですよ。でも、こういうのはねぇ、、、

男子については、フリーでのデニス・テンの滑りは素晴らしく、ミスのあったチャンを抑えて間違いなくトップ、しかしショートでの貯金の差でトータルではあと一歩及ばなかった、という認識で落ち着いているのかと思いましたが、まだああいう見方をする人もいるということですね。

決めつけばっかとかいろいろあるけど、一番いやだなーと思ったのが、「採点の犠牲者(victim of this kind of judging)」っての。選手に対して失礼ですよね。擁護してるつもりかもしれないけど、選手の背中につば吐きかけてるようなもん。もし仮にフリーでチャンの方が上に来てたら、さすがのあたしもそりゃねぇだろ!って声を荒げてたかもですけども、そうではなかったですしね。

直後のインタビューや、RTされてきたロシア語での会見、ブログでのメッセージなどをみると、「まわりのサポートへの感謝」というのが沢山出てきますよね。am happy, proud of ときて、必ず really thank to support と続く。それを、部外者が勝手に犠牲者被害者扱いするのはいかん。